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2009合評上映会 東京会場実施報告 タイトル
  01 遠山浩司監督作品『そぼろごはん』
  『そぼろごはん』出演の細山田隆人 遠山監督 皆さんが観てお腹が空けばいいなと思いました。それから、実家や田舎のお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんにちょっと電話したくなってもらえればいいですね。ごく普通の話をやりたかったので、誰もが感じたことのあるちょっと甘酸っぱい思いを描いてみました。
細山田隆人 撮影は4日間という短い時間で大変だったのですが、とても楽しい現場で、監督ともよくコミュニケーションをとりながら演じることができました。
大谷英子 ロケ場所がとても素敵なところで、懐かしい温かな空気を感じながら気持ちよく撮影をさせていただきました。その空気が、作品の中にそのまま入っているのを感じました。
松本圭未 世知辛い世の中ですが、この映画を観て皆さんの気持ちがぽっと温かくなったり、ほっこりしていただけるとうれしいです。
原南海子 ロケ場所では、一人ひとり寝る場所があったのですが、1人では怖かったので、お母さん役の松本さんと一緒に寝かせてもらいました。この作品を観るたびに、おばあちゃんに会いたくなります。
草村礼子 短い時間でしたが、みんなが一生懸命関わって作ったので、手間と暇がかかっている画になった気がします。今回のように、文化庁に応援していただきながら、若い方がどんどん育っていく場が続いていけばいいなと思いました。うれしい作品に出会うことができました。
遠山監督 妹の子どもが3歳の三つ子なんです。その子たちにとって、今の私は“フーテンの変なおもしろいおじちゃん”なのですが、大人になった時には、“自慢のおじちゃん”でいたいなと思います。自慢してもらえるような映画を作っている変なおじちゃんになりたいです。

 
 
  02 浅野晋康監督作品 『きみは僕の未来』
 

浅野監督 だめな大人たちの中で、子どもはどのように生きるのか。DVや家庭崩壊などの話を聞く中で、「大変だろうな、今の子ども」と考え始めました。僕は役者さんが好きなんです。みんないい顔をしていて、見ているだけで幸せな気分になれるんです。役者さんがお芝居をする中でリアルな感情が生まれてくればいいなと思いながら、特にアキラ君を見つめて作っていきました。
私市夢太 今回の役は難しいところもありましたが、自分に合う役だったみたいで、スムーズに演じることができ楽しかったです。観ていただいた皆さんに、これからのアキラを応援したいという気持ちになってもらえたらうれしいです。
斉藤陽一郎 無職でだめな叔父さんの役をやりました。監督からは現場で、「そのままでいいです、そのままでいいです」と言われまして、監督がいかに僕をだめな人間だと思っているのか思い知らされました。でも、私市君にはものすごく愛を持った演出をしてました。皆さんに楽しんでいただけたらうれしいです。
石村みか スタッフの皆さんから、ものすごく細かなアドバイスをいただくことができました。アットホームな現場で、とても幸せな数日間を味わうことができました。
鈴木卓爾 父親役はこれまでも何度か演じたことがありますが、いつも子どものようなキャラクターになってしまいます。今回もアキラの方が大人に見えてしまい、「これでいいのか?」と思いながら演じてましたが、観てみると、大人とか子どもとか関係なくちゃんと映画として映っていました。
林摩耶 自分が出演しているので客観的に観られていないのかもしれませんが、感動しました。できるだけたくさんのところで上映され、多くの人に観てもらえればいいなと思っています。
浅野監督 これからも頑張ります、としか言いようがないです。今後も、シンプルで力強い作品を作っていきたいと思います。どこかで名前を見かけたら、ぜひよろしくお願いします。

『きみは僕の未来』監督の浅野晋康、出演の私市夢太  
 
 
  03 岨手由貴子監督作品『アンダーウェア・アフェア』
  『アンダーウェア・アフェア』出演の東加奈子 岨手監督 1人の女性の“過去”と“現在”という2つの時代を交錯して描く、というのを短編でやりたいと思いました。完成尺が決まっていて5分の余裕しかなかったので、“ちゃんと収まるのか、収まらないならどこを撮らないといけないのか”を考えながら撮る必要があり、とても難しかったです。また、人物のバックグラウンドの説明が一切ない話だったので、リハーサルの段階で役者さんに説明をして、感じてもらいながら撮影しました。作品になった時にそれが観ている人にちゃんと伝わるかというところでも、かなり苦労しました。
東加奈子 “女の子”から“女性”になる時というのは、女心を揺さぶられる経験を何度か積んで大人の女性になっていくんだろうなと思いました。
小野ゆり子 妹の方が大人っぽくて、朝子ちゃんはそれに嫉妬しながら頑張ってしまうのです。そういう朝子ちゃんの心境が、観ていただいた方に伝わればうれしいです。
広瀬麻百合 最初監督にお会いした時には、かわいらしい監督さんだなと思いましたが、やっぱり現場はとても緊張感がありました。映画初出演でしたが、監督が一人一人の役柄について背景など細かく考えてくれていたので、とてもやりやすかったです。
山中崇 今日は長丁場となりますが、みんな一生懸命に作っていますので、ぜひ楽しんでいってください。
岨手監督 今回の短編を作りながら、「長編をやりたい」と強く思いました。今脚本を書いています。今までは女性が主人公でしたが、新しい脚本では男女が主人公になっています。

 
 
  04 金井純一監督作品『ペダルの行方』
 

金井監督 35ミリフィルムで撮れると聞いたとき、35ミリフィルムには“一瞬を収める”というイメージがあったので、「子どもを撮りたい」と思い、脚本を書き始めました。ただ、初稿が甘かったせいで脚本の直しが大変で、バルト9がすごく遠く感じられました。でも、それによって撮りがいのある本になり、濃い日々を過ごすことができました。
辻香緒里 「家族っていいな」と思いました。そして「母は強くなければいけない」と、今日は自分に言い聞かせるように観ていました。実際自分には2人の子どもがいるので、その子どもがいなくなることを想像しながら演じました。
草野康太 35ミリフィルムで撮影される機会は、だんだん少なく貴重なものになっています。今回、とても良い緊張感の中でやらせていただきました。この役はとても重たいところもあったのですが、自分ではあまり重く受け止めすぎないように心がけました。監督は僕より年下ですが、すごくしっかりしていてどっしり構えていたので、やりやすかったです。
金井監督 でも、お昼のお弁当、一口も食べられなかったんですけどね。もっと強くならないといけないと思いました。これからもまた今回のように、役者さんと一緒に共同作業でたどり着けるような作品を作りたいと思います。人間ドラマ ― 人間が生きて感情が動く脚本を書き、監督をしていきたいです。

『ペダルの行方』出演の辻香緒里
 
 
  05 清水艶監督作品『ホールイン・ワンダーランド』
  『ホールイン・ワンダーランド』監督の清水艶、出演の花田優里音

清水監督 今日改めて観て、私の頭の中のごちゃごちゃと、主人公のチイちゃんのごちゃごちゃと、この作品自体のごちゃごちゃが見事にリンクして、変わった映画になったなと思いました。子どもの考えていることや行動は、大人から見ると脈絡がなかったり、とんちんかんに見えたりします。でも、本当は、妄想が入ったりしながらも子どもなりに自分の世界観があって、原因や結果、関連などを考えながら一生懸命やっていたりするんです。それを映画にしてみたら、すごくごちゃごちゃになってしまいました。私も脚本の直しが大変なことになって、その過程で話が二転三転しました。
花田優里音 チイは、優里音とすごく似ていたので、すごくやりやすかったです。あと、清水監督が優しく教えてくれたので、優里音も将来は映画監督になりたくなりました。
清水監督 今回も、前回撮った作品も、私の頭の中のごちゃごちゃを描いたようなものだったので、次回は大人のドラマをきっちり作って撮ってみたいと思います。
 
  06 佐々木史朗スーパーバイザー
 

佐々木史朗スーパーバイザー この5本の作品が完成に至るまでには、ずいぶんいろいろなことがありました。中には、最初提出されたシナリオからまったく姿かたちが変わってしまったものもあります。変わっていく過程で、彼らは相当手厳しい経験をしたと思います。激しいやりとりの結果、シナリオが出来上がり、そのシナリオをベースにして彼らは映画を作りました。そして、今日初めて皆さんに観ていただくことができたわけです。
このような形で、努力した結果がスクリーンに映し出され観客の皆さまに観ていただける、こんな幸福は実はあまりありません。ここまでやってきたのは彼ら5人ですが、これから先は、映画は観てくださった観客の皆さんのものになります。鈴木清順監督が「良い映画とか悪い映画というのはないのだ。運の良い映画と運の悪い映画があるだけだ」と言っていましたが、このように完成して観客の皆さんのものになっていく映画が、運の良い映画であり続けてほしいと願っています。
もちろん、作り終わった彼ら自身には、これからも作り手としての責任は残ります。厳しい講評もしっかり受けとめてください。そして早くプロになって、もう1度どこかで出会える日を楽しみにしています。

佐々木史朗スーパーバイザー、ndjc2009参加作家 5名
 
 
 
 

 

 
     
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