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 ndjcトップページ > ndjc2010 > ndjc2010 合評上映会 東京会場 実施報告
2007合評上映会 東京会場実施報告 タイトル
  01 遠山浩司監督作品『そぼろごはん』
  『そぼろごはん』出演の細山田隆人

三宅監督 海上の撮影が一番大変だというのが、最初からこのプロジェクトの肝でした。ロケーション場所もいろいろ探し、大変だとは頭の中で分かっていたのですが、どれほど大変か体で分かってはいませんでした。天気予報などネットで調べる事は出来るのですが、結局その次の日の海の状況は漁師の方に聞かないと分からない。漁師の方と美術さんとみんなでコミュニケーションをとって、この日しか海は撮れないという漁師の方のアドバイスに従ったら結果はうまくいきました。それ以外の日だったら撮影出来なかったですね。だから僕たちはとてもラッキーだったと思います。この話を考える前に、少年が筏で海の上を漂っているというイメージから作品に入っていまして、実はそれに合わせて最初は長編の脚本を書いていたんです。そこからスタートした企画なので、筏を海に浮かべることが自分としてはどうしても実現したいポイントでしたし、今回それが実現できるチャンスだなと思い、そこにこだわりました。長編を短編にするというより、短編の作品をどう捉えるかというのが自分の中では課題でした。35 mmでの撮影、そして充実したスタッフ―そういう中で、自分としては「出来るだけ丁寧に作る」ということを考えました。

筧利夫 今回撮影が4泊5日でしたか。篠島は魚がおいしいところで、島の人達が魚でお金払ったことがないというような場所でした。そういう意味でも本当に楽しい撮影でした。篠島のパワースポットという場所がいくつかあるのですが、島の人しか知らないすごく小さな神社みたいなものがあって、僕や監督がそこにお参りに行きました。それで、あのシーンの撮影が奇蹟的に晴れたということがありました。吉岡君、どうでしたか?

吉岡澪皇 そうですね、撮影が海の上なので涼しいと思って厚着して行ったのですが、水はあるんですけど日差しがたくさん入ってきて、とても暑かったです。みなさんのおかげで無事撮れてよかったです。

松岡茉優 人があまり行き来しない篠島という場所で撮ったのですが、横を見ると海がすぐ見えて、本当に場所に恵まれたなと思います。自分でも思い入れの深い作品なので、心のどこかに残していただければと思います。

坂田雅彦 僕は三宅監督とは3本目になるんですが、こういった作品を前向きに撮れる監督は、日本、いや世界にあまりいらっしゃらないと思うのです。これからも素晴らしい作品をどんどん発信していただければうれしいと思います。

三宅監督 今回のプロジェクトは「育成」ということなので、こうして観ていただいた映画関係者の方々と一緒に商業の長編作品を作れるようにと思います。僕は準備は出来ておりますのでよろしくお願いします。

 
  02 浅野晋康監督作品 『きみは僕の未来』
 

煖エ監督 「曇天」というのは僕の出身地である新潟の一番象徴的な言葉だと思っています。 僕は、大学から関東に来て、その後アメリカのカリフォルニアに行ったりしたのですが、やはり曇天がいやだったというのがありました。いつもいつも重苦しい曇り空。僕はそういう場所から出て行った方の人間なのです。元々沼だったりして水はけが悪く、何回も田んぼに海水が被さり駄目になっても、何回も何回も立ち上がるという歴史があって米が出来た。そこにずっと留まってたくましく生きている人達って、やはり最終的に人間として一番強いんじゃないか―自分が生きてきて、強くそう思ったんですね。どこの地方でもそうですし、都会は都会で大変さはあると思うのですが、人間がたくましく生きる中で、やむにやまれず生きている人たちがどこか一線を越えた時、どういう風に生きるんだろう、と。今回のプロットを構築していく中でそれが見えてきて、一番面白いと思い、「曇天クラッシュ」とタイトルをつけました。

前田広治 新潟から東京に出て全然うまくいかず、それで実家に帰った時に助けてくれて、手を差し伸べてくれたのが家族であって、親父であって、陽子であって・・・その家族の絆というのを少しは感じていただけたら、僕はうれしいです。

木之元亮 初めて台本に目を通した時は…、偽装事故ですから私、とんでもない村、とんでもない親父な訳でございます。お父さんだけではなくて村の皆もそうなんですね。とんでもない台本で、よく撮影のOKが出たなと思いました。ところが、現場で芝居を続けていくうちに、こういうダークなとんでもない状況を、新潟弁という方言が非常に柔らかくオブラートに包み込む様な雰囲気を醸し出している。なんかとんでもないことをやってるんだけれども、憎めないというか。都会に出た1人の青年が田舎に帰ってきて、そういう状況の中で四苦八苦するんですが、親子の再生であったり、兄弟の再生であったり、色々な苦難にぶち当たりながらも成長していく話にしっかりなっているなと思いました。サスペンスもあり、ホロホロっとくる部分もあり、30分の非常に短い制約のあるなかで、出演している人間ではありますが、素晴らしい作品に仕上がっているなと思いました。

煖エ監督 前から考えていた長編の企画があって、それは新潟を舞台にしたスリラーなのですが、今回、自動車工場のお父さんが自動車保険詐欺をやっているというのは、その設定の一部を持ってきています。スピンオフを先に作ってしまったということですね。これよりもっとシリアスなスリラーを考えているので、実現できたらいいなと思います。他にも、時代ものとか、前から温めている青春ものとかいろいろ考えているものがあります。これはもう充分時間をかけ、しっかり本を練って、皆さんにお届けできたらいいなと思っております。

『きみは僕の未来』監督の浅野晋康、出演の私市夢太  
 
  01 遠山浩司監督作品『そぼろごはん』
  『そぼろごはん』出演の細山田隆人

藤村監督 ねらいというほどいいものではないのですが、高校生の話を作りたいと思っていました。僕が今27歳で、高校生の時が10年前になるんです。これ以上時間が経つと高校生が描けなくなるし、描いても嘘くさい高校生になってしまう。今しか作れないという意味で考えていた話です。初めは男の子を主役に置いていたのですが、映画である以上、主人公が変化する必要があると思いました。でも、ブスが好きな男の子が変化するのは普通になって面白さが消えてしまうので、逆にその子を落とす女の子を主役に置いて変化させていこうと思って作った映画です。

志保 この希という役は、まあなんて報われないのでしょう。これまでも初めてですし、これからもやることはないのではないかというくらい濃い、そして素敵な役でした。自分の中の引き出しも1つ増えました。この作品に参加できて本当に心から感謝しています。

田中こなつ 涼子の役は、ある意味少し難しく、皆さんとのチームワークが大切な役だと、やりながら思っていました。皆さんのギャグセンスの高さに助けられて、楽しい現場となりました。作品もすごく面白くてびっくりしました。楽しんでいただけたでしょうか?

土井玲奈 台本をもらった時からものすごく面白い台本だなと思って、1人で家で読んで笑っていたのですが、実際やってみたら本当に面白かったです。基本的に私は変顔ばかりで、顔がずっと歪んでいる感じでしたが、実際の自分の素のままでやれたなと思います。共演した4人のメンバーは、現場でもずっと仲良くしていたのですが、チームワークが画面に表れているなあと思える楽しい作品でした。皆さんにも楽しんでいただけたらと思います。

西村優奈 この映画の中の女子高生は、一見馬鹿げたことにも全力で取り組んでいて、かわいいなと思いました。「かわいい」という言葉の意味が良く分からなくなってしまう作品でもあったのですけれど、皆さんの目にも私たちが「かわいいな」と映っていたらうれしいです。本当に楽しかったです。

草野イニ 一回り以上年が違う皆さんと同級生役をやらせていただきまして、何歳ぐらいまで出来るのか、もうちょっといけるかななどと思い、今日も観ていました。このお話は、教室とか、友達同士の会話とか、設定は変わっているかもしれませんが、やり取りが自然で、凄く楽しい作品になっていたなと思いながら、改めて拝見させていただきました。

藤村監督 僕は先の事は考えない主義なので、今出来る事を普通にやっていこうと思います。

 
  02 浅野晋康監督作品 『きみは僕の未来』
 

松永監督 今、この世の中には色々な事―楽しい事も辛い事もたくさんあるのですが、僕は辛い時に、映画を観て救われた事があります。だから、映画を作って、観る人に、1つ前に進めるきっかけというか、「こういうタイミングあるよな」と思ってもらえたらいいなと思っています。この作品を作るにあたって、きっかけとしてどんなことがあるだろうと考えたのですが、本当に単純な事で次の日の景色は変わるんじゃないかと思ったのです。
僕は元々役者から映画という世界に触れたのですが、僕にとって『ウォーターボーイズ』という映画が映画体験として本当に大きかったのです。今回も、台本がある中で、どれだけ現場でドキュメントの瞬間を出せるかということに気をつけました。ですから、リハーサルはたくさんやらせてもらいましたし、本番ではテストをやらずに一発で、長回しでやりたいと思ったので、役者のメンバーにはすごい苦労をかけながらも、頑張ってもらったと思います。

清水尚弥 今回主役という事もあって、とても厳しく指導いただきました。監督は「リアルな姿を撮りたい」と言っていて、“役を作るのだけれど中学生というリアルな自分は作らない”・・・そういうことをやってと言われました。

吉原拓弥 今回この作品をやってみて色々なことに気づくことができました。まだ17年しか生きていませんが、色々な重いことなどを知ることができました。透という役をやってみて、自分との共通点もあったし、表面に出せないものを皆持っているんだなと、1つ1つ知っていきながら演じられ、いい経験をさせていただきました。

池田稜馬 いじめっ子の中のリーダー的な役をやらせていただきました。この作品は、主人公の2人がいじめられていく中でどんな感じになっていくのかなど、色々なことがありました。自分もいじめっ子の役の方をやらせていただくことで、いろいろなことが学べて、この作品に出会えてとてもよかったと思います。

松永監督 元々僕はドキュメンタリーを撮るところから始めました。3月26日からユーロスペースで『ピュ〜ぴる』というドキュメンタリー映画がロードショーになります。それは8年間撮ったドキュメンタリーです。ドキュメンタリーとフィクション、両方を観てもらって、松永っていうのはこういう事がやりたいんだというのを、まず分かってもらいたい。作品を観ると、ああすればよかった、こうすればよかったというのがまだまだたくさんあるので、次に長い作品を撮れるように頑張ります。

『きみは僕の未来』監督の浅野晋康、出演の私市夢太  
 
  01 遠山浩司監督作品『そぼろごはん』
  『そぼろごはん』出演の細山田隆人

森監督 僕は人に伝えるのが苦手で口べたなのでどこまで伝わったか分からないのですが、今回は「命」ですとかそういうものを描きたいという思いがありました。人間や動物は、簡単に死ぬと思うのです。そのことを知っている人の方が、命を大事に出来るのではないかと昔から思っていました。例えばホームレスを襲って殺してしまう人は、そんな簡単に死なないと思っているのですよね。頭の中ではなく実際に動物を殺すということで、本当に簡単に亡くなってしまうのだということを描きたいと考えました。

能年玲奈 私は映像の経験があまりないので戸惑ってばかりだったのですが、監督が「役は一緒に作り上げていくものだ」とアドバイスをくださいましたので、それを心がけて色々感じたことを言うようにしました。やさしいとは感じなかったのですけれど・・・、ぶっきらぼうな感じだったのですが、勉強になりました。監督は、すごく熱い方なんだなと感じました。

河口舞華 映像のお仕事は何回か経験させてもらっていたのですが、今回いつも以上に勉強になりました。自然な姿というか、芝居をしているのではなく、自分らしく昴になりきる―そういうものを出すのがとても難しくて、監督からたくさんご指導をいただいて本当に勉強になりました。相手役の能年さんも引っ張ってくれ、村田さんからもご指導をいただいて、本当に恵まれた環境でした。

村田雄浩 すごい作品ですね・・・。何かものすごいことが伝わってしまったような気がしますし、自分で出ているくせに「なんだこりゃあ」と思いながら・・・。この作品をやっている時は、久しぶりに「あっ、映画やってるな」という感じがしていて、「どうなるんだろう?」と楽しみにしていました。監督は本当に真面目な人で、現場でも「そこまで言うと逆に伝わらないよ」というくらい入れ込んでいました。監督の挨拶を聞いての通り、魂だけはものすごく伝わりすごく反映されていて、それをスタッフ・キャストが頑張って伝えたような。これは本当にスタッフのおかげですよね、監督。もうありがたいなあという感じです。本当に観ていただいてありがとうございました。きっと皆様の心に何かが伝わったのではないかとちょっと確信いたしました。

森監督 今回作品を撮らせていただきましたが、自分なりにもっとこうしたいとか、発展させたいといった気持ちがありますので、同じテーマで2時間の長いものを撮ってみたいと思います。

 
  02 浅野晋康監督作品 『きみは僕の未来』
 

桝井省志スーパーバイザー 皆さんお疲れ様でした。まずは、この5人を選び脚本指導をしていただいた講師の皆さんの大変な熱血指導に感謝したいと思います。そして、この5人の作家がオリジナルの脚本で孤軍奮闘しながらも、何とか作品が映画になったのは、5社の制作プロダクションのおかげです。我々が盛り上げていっても、現実には制作プロダクションのお力がないと完成しません。制作プロダクションの皆さんに大変ご尽力いただいて、ここまでこぎ着ける事が出来ました。映画は監督のものだと言われますが、この仕事をやっていて改めて映画はスタッフのものだという風にも感じました。皆さんが5人の監督を預かって、最初はなんでという気持ちもあったかもしれませんが、耐えていただいて、逆に「これはもう自分たちの作品だ」と言っていただくのを聞いて大変うれしく思いました。
皆さんの評価がこの5人の成長に繋がると思いますので、ぜひご講評をお願いします。かなりめげない人達ですので、ビシビシ厳しい意見を言っていただいて大丈夫だと思います。応募のあった53名から選んだワークショップ参加作家14名の中からさらに選ばれた、大変優秀で非常に個性豊かな5人です。今後彼らが活躍してくれたら私どもも大変うれしいですし、こちらにいらっしゃる皆さんのお力を借りて、この5人にまたチャンスを与えていただければと思います。どうもありがとうございました。

『きみは僕の未来』監督の浅野晋康、出演の私市夢太  
 
 
 

 

 
     
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