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2017.04.05ndjc情報

ndjc2016、合評上映会レポート

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2月21日(火)、丸の内TOEI1でndjc2016完成5作品の合評上映会を開催しました。関係者の方をはじめ、多くの一般モニターの方にもご参加いただき、各作品の上映後には監督、出演者が登壇して舞台挨拶を行いました。

 

※以下上映順/抜粋

 

『SENIOR MAN』舞台挨拶コメント

監督:吉野 主yoshino

なんとなく僕の中で面白いと思う映画の定義があって、観た時にいろいろな感情を引き出される作品が、観た後にとても面白かったと思える気がします。喜怒哀楽の他にも何か怖かったとか、とても辛かったとか、愛おしいとか、いろいろな感情が引き出された時、やはりいい映画だったなと思えるので、なるべくそういう部分を引き出そうと思っていました。やはり強烈なドラマを随所に入れたいと思い、お年寄りが、特に昭和20年代を生きてきた人が、様々なドラマを生きてきて、とても濃厚な人生を送っている気がしたので、お年寄りを描こうと思いました。私は、祖父ととても仲が良くて、親友みたいな関係でいろいろな話を聞いていたこともあり、お年寄りを面白く描いたらドラマも生まれると、それで今回、お年寄りをテーマにした作品を作ろうと思いました。

出演者:油井昌由樹

自分が出た映画で、出てすぐに面白かったと思うのは、なかなか少ないのですが、これは面白かった。本当にありがとう。キャスティングしてくれてサンキュー。そんな感じですね。ただ、ひとつだけ不満があります。私がわざわざこの映画のために前歯2本抜いたのですが、あんまりよく見えなかったですね(笑)。


出演者:黒岩三佳

実際に使われている老人ホームで撮影をしたのですが、監督がその実際に使われているものを見て、とても面白がって、「本当におじいちゃんとおばあちゃんたちは面白いですよね」と話していて、本当にこの監督は、年配の方を愛しているのだなと思いました。そういう眼差しでお年寄りの方々を見ているのだなと、すごく良く分かりました。今日、私は初めて作品を拝見しましたが、やはりとても大事なものとして扱っているということが良く分かりました。

 

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『白T』舞台挨拶コメント

監督:金 允洙kim

もともと白いTシャツ、無地のTシャツを着るのが好きで、その白いTシャツがいろいろな理由で汚れてしまう人の話の映画を作ろうと思ったのが、そもそもの始まりです。それで白いTシャツみたいに毎日きれいに汚れることなく、生きていきたいという祈りみたいなものと、それでもどうしても汚れてしまう、罪と言えば大げさなんですが、罪と罰みたなことをいろいろ考えていくうちに、人をすごく恨むということと人をすごく大切に想うことまで考えました。すると結果的に人間の持っている弱さみたいなものがあり、それがせり上がってこのような形になりました。
学生の頃、「映画の中で何個かある重要な要素のひとつに観客がある」というのを教わり、人に観てもらって初めて本当の意味で映画が完成すると思っています。今日、『白T』という映画が完成して、その場に立ち会えたことをとてもうれしく思います。

出演者:弥尋

私は今回、フィルムの経験が初めてだったので、モニターを全く見られない状態でやっていました。最後は、目隠しされているので、何にも見えない状態でやっていました。監督の演出と言えば、ちょっとやって来て、「このシーンはこうなったら素敵ですね」と言ってくる、そんな演出をされる方でした。

出演者:桜井ユキ

弥尋くんも言っている通り、「素敵ですね」という名の圧と言いますか。「こうなったら素敵だな、だからよろしく」というのが付いている感じでした。具体的にどうしてこうしてというよりも、この作品のシーンごとの大事なところを現場に時々、ピピって伝えて、後は任せるという感じでしょうか。シーンについても、監督が大事に思っているところを伝えに来てくださる、そんな感じの演出でした。

出演者:般若

まず謝りたいです。暴力たくさん振るいました。すみませんでした。金監督、二度と誘わないでください(笑)。最初にこの話をいただいて、ちょうど金監督が電話で僕に「モリは神様かもしれない」みたいなことを言っていたのですが、僕は「えっ?」と思いました。どのへんが神様だったのかなと思って、モリさえいなければ、丸く収まっていたはずですが(笑)。

 

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『ジョニーの休日』舞台挨拶コメント

監督:新谷寛行shintani

私の姉はめちゃくちゃというほどではないですが、気が強いもので。若い頃によく男兄弟のいる人から「姉貴がいていいね」と言われましたが、そんなに良くないということを知ってもらいたかったのが、この映画を作ったきっかけかもしれないです。
——-ジョニーという名前について
昔、お付き合いしていた人が弟のことをジョニーと呼んでいました。普通に話すので、「ジョニーって何?」と聞いたら、弟のことをジョニーと呼んでいると普通に流されたのですが、不特定多数の人間という感じがしていいのかなと思いました。
——-テーマに関して
それぞれの年代というか、自分というか、登場人物の何年前、何年前、姉妹と付き合っていたと遡っていくことができるので、30分でうまく一家でまとめられるかなと思いました。

出演者:金井勇太

「この話には、監督の実体験が結構入っているのですか?」と聞いたとき、「1カ所あります」と。それは、お父さんが「うるさいぞ、お前は」と台所に言った時に「客が来ているんだからさ」と、どさくさに紛れて客と認めてくれたというところだそうです。お父さんの場面は、僕のアップを15秒流してくれて、そういう大事なところはあまり説明的な芝居にならないようにしようみたいな感覚があったので、演出が繊細な監督だとも思いました。

出演者:川添野愛

あまり細かい演出をつける方ではなかったので、たまに道子の方向性が大丈夫かと心配になる時もあったのですが、撮り終わってモニターチェックしている監督を見ると、ニヤッとしていて、大声で笑うのではなく、バレないようにクスッと笑っているところを見て、よしよし大丈夫だ、と思っていました。

出演者:かでなれおん

私はオーディションで選んでいただきまして、オーディションの時に台本にFカップと書いてあったので、「アピールポイントを言ってください」と聞かれた際に、「私はGなのでお釣りがきますよ」と言って受かりました(笑)。本編は今日初めて見たのですけど、Iカップになっていて、どんどんでかくなっていくという(笑)。

出演者:鈴木一功

よく細かいところまで見ているなと感じました。ちょっと余計なことやると、それはちょっとやらないで、みたいな感じで、やっぱりリアクションを丁寧に撮っていらっしゃった。狙いはそういうことで、話している人よりも、むしろ聞いている方に神経をとても使っていました。リハーサルの時にもこういう画がほしいとは一言も言わなかったのですが、撮っているうちに、なんとなく監督のセンスがひしひしと伝わって、若い人とやるのはいいなあと思った次第であります。

出演者:服部妙子

 台本をいただいた時に、正直、あまりよく分からなかったんです。そして、撮影に入る前に、監督が「僕は『砂の女』が好きです」とおっしゃったんです。『砂の女』は、勅使河原宏監督で、岸田今日子さん、岡田英次さんの作品ですね。私もあの映画がとてもいい映画だと思っていました。なんとなくこの『ジョニーの休日』も、ジョニーがズルズルと女地獄に、砂の中に埋もれていくような、ああ、これなんだなと思いまして、方向性が私と一緒と分かり、それからはとてもスムーズに撮影に入っていけました。

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『パンクしそうだ』舞台挨拶コメント

監督:目黒啓太meguro

もともと僕が高校大学とバンドをやっていたので、いつかバンドの映画を作りたいという思いがありました。また去年、この映画を作っている時にちょうど娘が生まれ、リアルタイムなものを包み隠さず入れようと思いました。愛すべきヘタレを描いた作品になったのではないかと思います。
35ミリという点では、やはり本番前のテストをやりこまないといけないと意識してやりました。2日目までは、テイクがちょっと多かったかと。それはスタッフの方々といろいろ話す中で、もっとテイクを削っていかなきゃいけないという感覚があったので、5日間のうち折り返したあたりからは、さらにテイクを削る意識でテストで決め込んでいくようにしました。

出演者:亀田侑樹

監督は温厚な人だと思うのですが、リハーサルで最後のバンド演奏の練習をしている時に3人でいい感じにやっていたら、狭い空間のこのあたりで監督が大声で叫んでいたんです。「うわー、どいつもこいつもー」みたいに言っているので、え? 何言っているのだろうと思ったら、最後のセリフの尺が足りるかどうかを確認していたんですね。何も言わずに突然やり始めたので、ほんとびっくりして怒られたのかな、コード間違えたのかなと焦りました。実はとても熱い方なのかなと、その時思いました。現場でもその熱さが伝わってきたので、こっちも応えなければと思い、がんばりました。

出演者:松山愛里

初日の撮影で初めてのシーンが、ラストのビンタのシーンだったんです。春奈にビンタされて隆平が倒れこむ姿が監督にとっての重要なポイントだったようで、結構何回もビンタしたんです。何回もやったのですが、タイミングがなかなか合わなくて。監督が実演して、こういうふうにと指示される姿が、本当は笑っちゃいけないのですが、心の中ですごく笑ってしまい、最初のシーンだったので、すごく心が和んで。そこからリラックスして撮影に挑めました。

出演者:夛留見啓助

監督は最初から優しかったのですが、私と同い年なのにこんなに優しい方なのかなと結構甘えて、撮影中はずっとお世話になりながらやっているなと。序盤、私のキャラクターがなかなか定まらなかったのですが、その時も監督から演出指導を受けるという感じではなく、コミュニケーションを取りながら、それで良ければいいよ、みたいな感じを無意識的にずっと感じていたと思います。本当に監督に助けられた現場でした。

出演者:イワゴウサトシ

監督は、とにかく真面目な方という印象ですね、何回もテストをちゃんとするし。芝居に対してはこうしたいと押し付けることは全くなかったです。「こういうのはどうですか?」と提案すると「それはないです」とはっきりと言われ、レスが早かったです。

出演者:岩堂聖子

皆さんおっしゃっているように、監督は本当に真面目で実直な方という印象でした。バンドのリハーサルを何度か皆さんとさせていただいていた時、監督が誰よりもバンドの練習を楽しんでいるようで、大きな瞳がさらにキラキラ輝いているなというのが記憶に残っています。

 

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『戦場へ、インターン』舞台挨拶コメント

監督:籔下雷太yabushita

去年ndjcを見に行った時に、フィルムの質感であれば時代モノをやったらいいのではないかというのがアイディアとしてあり、戦時中とか、そういう映画を作る現場はどうかと考えていき、話を膨らませていきました。映画の現場のお手伝いをした時に、制作部の方との話が面白かったので、車止めしたり、スープを作ったりするのがいいなと思い、それを映画にしたいと思ったのがきっかけです。
——-35ミリで撮るということ
質感が少し懐かしい感じに出たらいいなというところと、外の風景の対比みたいなところです。富士山の麓で、本当にロケ場所が良くて、自然の良さとか、木の話などがあるので、そういう部分をフィルムの綺麗さで写し撮っていけたらと思っていました。

出演者:伊藤沙莉

監督は本当に穏やかな方だなと思いました。もっと強く言ってもらっても、構わなかったのですが。ディスカッションというか、冷静にお互いアイデアを持ち合って一緒に作っていくという感じだったので、寄り添ってくださったのかなと思いました。楽しかったです。

出演者:米村亮太郎

芝居の強度とか強弱とか、求められているニュアンスを的確に指示してくださるので、役者としては非常にやりやすい監督さんでした。ぜひまた機会があればという感じです。

出演者:中村映里子

監督は出産の映像を見て勉強していて、こういう感じみたいです、ということをとても丁寧に教えてくれました。現場は1日だけで、まだ籔下さんのことを語れませんので、また次があればもっと監督のことを知りたいと思ってます。

出演者:内村遥

みんなで作るというのが本当にふさわしくて、監督がリハーサルから大枠を作って、現場でできたものをとても大事にしてくれたので、自由に面白がってやれました。僕も2日間だったので、もっと長くやりたかったというのが印象です。またお願いします!

 

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ご来場いただきました皆さま、ありがとうございました。いただいたご講評は、作家育成ならびにプロジェクト発展に役立たせていただきます。

合評上映会は東京・大阪・京都・名古屋・新潟と5カ所を巡り、また期間限定ロードショーとして、3月11日(土)よりTOHOシネマズ 日本橋にて、3月18日(土)よりシネ・リーブル梅田にて各1週間ずつ上映いたしました。

足をお運びいただいたみなさま、誠にありがとうございました。

 

 

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